その1:もらい火による火災は、火元に責任を問えない!
知ってましたか?
隣りの家の火事で自宅が延焼しても、隣家にその補償責任はありません
もらい火災での損失は、自分で火災保険に加入するしかありません
不条理なように思えますが、隣り近所の過失のない火災で自分の家が延焼した場合、その失火元に責任はなく、補償の義務はありません。
え!じゃ誰に責任を問えばいいのでしょうか?
残念ながら誰にもその補償を請求できません。
自分で火災保険に入らない限り火災の補償は得られないのです。
不条理のようですが今の法律では、火元、失火元に過失がなければ賠償請求はできないのです。
これは明治に定められた法ですが、今でも改正されず有効です。
例えば、失火元は火災保険に加入していて家を新しく建てられます。
でもあなたは火災保険に加入していないとすると、家を全焼し、家財も失って、なにも残らず補償も何もないのです。
それと同様に、隣りの屋根材が自然の強風で飛んできて、自宅の屋根を破損しても隣家に賠償責任を問えないのです。
自分の火災保険で修理しなければなりません。
個人の賠償責任特約(会社によって名前は違う)
強風で自宅の瓦が2、3枚飛んで、隣家のカーポートを破損させてしまった。
この場合、隣りに迷惑をかけたということで、火災保険の風災条項が適用されるかというと、何も特約がなければ火災保険では補償されません。
基本的には、火災保険の契約家屋、契約住所内の物件にしか損害補償は適用になりませんので、その外部の被害に対しては、補償できないのです。
しかしこの特約を付けることによって自分に賠償責任が生じた場合のみ、保険会社は、隣家の被害に対して補償金を出してくれます。
しかし風災に関しては、自身の火災保険を使って修理するのが原則です。
隣りの方が火災保険に加入していたらその保険で修理するのが一番の早道です。
その2:特約保険、地震保険の補償金の上限
住宅金融支援機構の特約火災保険
住宅金融支援機構から融資を受けて、住宅ローンで家を買った場合、「特約火災保険」か「選択対象火災保険」のどちらかを選択して、加入しなければなりません。
これらの「火災保険」は風災条項がありますが、その補償金額は、20万円以上の損害がないと補償金がおりません。
これは、よく免責と間違われるのですが、免責は保険会社が免除される金額ですが、「特約火災保険」は”20万円以上”の被害なら補償金が支払われるということです。
つまり、¥199,999の被害額では、保険金は1円もでませんが、20万円の被害に対しては、全額20万円の補償金でるのです。
住宅金融支援機構から融資を受けて家を購入された方は、是非知っていなければならない事柄です。
損害保険料率算出機構、地震保険金の上限?
保険の保険料や、契約保険金、損害時の補償金は、「損害保険料率算出機構」が毎年の火災件数、損害件数、補償金、その損害内容、加入件数など様々な統計データーを考慮し、それを元に各保険会社は、私たちが払う毎年、毎月の保険料や補償金の額を決定しています。
また地震保険は原則として、住宅火災保険の特約になっていますが、地震保険単独での加入はできないようになっています。
地震保険は大規模に損害を補償することになるので、損保会社だけでは賄いきれません。
そこで国が関与し ”再保険制度”といって集められた保険料の一部を積み立てて実質的に国が補償する国家保険です。
ですので損保各社の補償内容がほとんど同じです。
なお、日本政府が補償する金額は、限度額が設けられていますので、政府が無制限で補償金を支払うわけではありません。
あくまで、定められた補償金限度額が上限となっています。
(地震での補償金総支払額は 5兆5,000億円が上限でしたが、平成24年4月より6兆2,000億円になりました。この限度額は関東大震災クラスの大地震が起こっても、十分な補償ができるようになっています。※東日本大震災関連で支払われた地震保険金の総額は、2012年4月現在、1兆2241億円、支払件数は77万1403件。問い合わせ件数 88万5188件で。問い合わせ、調査完了件数は87万7879件で 99.2%が対応を終えました)
火災保険の全国規模
日本では、一戸建住宅は木造、非木造合せて 2,650万戸、集合住宅では合せて 2,000万戸合計で、総計 4,670万戸です。(総務省統計局2006年)
一方、火災保険の一般住宅の加入契約件数は約 1,467万件、この総保険料は年間約 7,000億円で、その内損害保険金を支払った件数が 365,000件、総支払保険金は 2,022億円です。(つまり5,000億程度が火災保険会社の粗利になっています)
住宅戸数の数字は、2006年、火災保険の加入者、支払金額の数字は、2010のものですが、おおよその火災保険の市場規模がわかります。
一戸建てのみの火災保険契約件数、アパート・マンションの火災保険契約件数が調べられなっかたのですが、2006~2010の4年間に住宅戸数が増えているとしても火災保険の契約率は、総住宅戸数で考えると 30%ぐらいの率になると思います。